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「加藤合同国際特許事務所~知財とびうめ便り~」 Vol.84
発信日:2022年 5月 2日 発信者:加藤合同国際特許事務所
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◇ 目 次 ◇
1.弁理士コラム
◆新型コロナウイルスに関する話題(その3)
2.知財ニュース
◆欧州の2021年半導体関連特許出願件数は過去最高の3748件
3.連載 知財講座
◆第84回:特許「分割出願について」
4.事務所からのお知らせ(イベント含む)
◆中小企業等外国出願支援事業について
5.所員ほのぼの日記
◆桜餅
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1.弁理士コラム
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◆新型コロナウイルスに関する話題(その3)
ロシアの理不尽なウクライナ侵攻とその非人道的な無差別攻撃に世界の目が釘付けとなり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影が薄くなった状況になっていますが、一昨年、昨年に引き続きCOVID-19の話題をお届けさせて頂きます。
前回(昨年6月末)、世界全体の感染者は1億8百万人、死者は4百万人に届く勢いであると記しています。今では世界の感染者数は、5億人、死者は6百万人を超えるに至っています。
皆様ご承知のように、COVID-19に対し各国では様々な取り組みが行われています。
我が国では、このGW後に予想される第7波に備えワクチンの第3回目接種を呼び掛けていますが、第1回目の接種率が80%以上であるのに比べ3回目の接種者は50%に留まっています。中国では、市民の困窮を尻目に、ゼロコロナ政策で上海市の封鎖を強化しています。
しかし、敵もさる者で、進化?を繰り返しながら抵抗しており、世界の主流はオミクロン株の一つで感染力の強いBA・2に移行しており、イギリスでは別の変異ウイルス「XE」が広がっていることが報告されています。
既に3年以上COVID-19に苦しめられていることになりましたが、ウイルスと人間(人体)の30万年という係わりを考えますと、お互い折り合って生き延びる以外になさそうです。
ところで、前々回、新型コロナウイルスは、先進国、発展途上国を問わず世界中に被害が広がっており、世界的大流行(パンデミック)対応に必要な薬品の自由な流通を可能にすることが不可欠であり、かかる人類の脅威に対し、独占排他権という知的財産の保護と公益との関係をどうすべきか、新たな課題が突き付けられていることを挙げました。
この件に関し、最近、米国製薬会社の株主総会で新型コロナウイルスワクチンの特許や製造技術の第三者への供与を求める株主提案が相次いでいることが報道されています。
各国でのワクチン接種機会は驚くほど不平等であるとして、中所得国のメーカーに特許や製造技術を移転できるか報告を求めるというものです。
一方で、米ファイザー社の昨年のコロナワクチンの売上高は367億ドル(4.7兆円)であり、連結売上高の約45%をこのワクチンが稼いでいるといわれており、特許開放は競合メーカーの台頭に繋がりかねず、経営戦略的には難しい問題といえます。
しかし、前述のように新たなウイルス株の発生もあり、世界的なワクチンの需要は当分続くものと思われます。ウクライナ問題も含め、ウイルスとの折り合いと併行し、我々人間(国)同士の折り合いをどうするのかが問われています。
弁理士 久保山 隆
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2.知財ニュース
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◆欧州の2021年半導体関連特許出願件数は過去最高の3748件
欧州特許庁(EPO)は、2021年に世界中の企業などからEPOに出願された特許の件数が18万8600件であったと発表しました。そのうち半導体に関連した特許出願は3748件(前年比21%増)と、過去最高とのことです。
欧州特許庁(EPO)への半導体関連の特許出願企業を国・地域別で見ると、欧州が最多の1059件(前年比14.3%増)、次いで、米国の712件(同3.9%増)、韓国の662件(同36.0%増)、日本の597件(同21.1%増)、中国の468件(同45.8%増)と続き、中国と韓国の伸びが目立つ結果になりました。
企業別で見ると、Samsung Electronicsが同6割増の484件でトップ、以降、Intel(125件)やTSMC(112件)が続くほか、日本勢ではソニーが84件で8位に入っています。
ちなみに、日本からの欧州特許庁(EPO)への特許出願件数は、半導体以外のものも含めると合計2万1681件で、世界3位(1位:アメリカ、2位:ドイツ、4位:中国)となっています。
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3.連載 知財講座
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◆第84回:特許「分割出願について」
分割出願とは、特許出願に複数の発明が含まれている場合に、その一部を新たな出願とするものです(特許法44条1項)。よって、分割出願する場合には、原出願の出願当初明細書等に記載された事項以外を含ませることはできません。
適法に行われた分割出願は、出願日が実際の出願日ではなく、元の特許出願の日にされたものとみなされます(出願日の遡及)。従って、分割出願にかかる特許権の存続期間は元の出願発明の存続期間と同じです。
分割出願は、単一性(37条)の要件違反の拒絶理由通知を受けた場合にこれを解消するために行ったり、一部の請求項のみに拒絶理由が通知された場合に、拒絶の対象でない請求項のみ先に権利を成立させ、拒絶理由となっている請求項を分割出願として出し直したりする場合に行います。
また、出願当初には、特許請求の範囲に記載していないけれども、明細書等には記載されている発明について、分割出願する場合があります。
さらに、単一性の要件を満たしているけれども、特許管理上の理由から別出願にしたい場合もあります。
このように分割出願は大変便利な制度ですが、出願できる時期には制限が設けられており、原則として(1)明細書等の補正が可能な時期、(2)特許査定謄本送達の日から30日以内、あるいは(3)最初の拒絶査定謄本送達の日から3月以内となっております(例外があります)。
特許庁の審査により、分割の要件を満たしていないと判断された場合、分割出願は通常の特許出願であるとされ、出願日の遡及効果を得ることができなくなります。
この分割出願を有効に活用した事例があります。本メルマガVol.79やVol.81で紹介しましたセルフレジ特許です。
特許権者の株式会社アスタリスク(現在は株式会社NIPに権利を譲渡)は、無効審判の対象となった特許(特許第6469758号)を様々に分割出願し、合計5件(左記の特許に加え、特許第6518848号、特許第6541143号、特許第6532075号、特許第6736244号)の特許権を取得して、無効訴訟を提訴した大企業のファーストリテイリング社に対抗しました。
その結果、昨年12月末に和解が成立し、ファーストリテイリング社からの無効審判請求は取り下げられました。
このことからも、中小企業が資本力や販売ルート、会社の知名度などで勝る大企業に対して堂々と対抗できる手段の一つが、特許権などの知的財産権であることが物語られています。
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4.事務所からのお知らせ
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◆中小企業等外国出願支援事業について
特許庁は、外国への事業展開等を計画している中小企業に対し、外国出願にかかる費用の補助を毎年行っておりますが、今年も募集が開始されていますので概要をお知らせします。
≪補助率≫
1/2
≪1企業に対する上限額≫
300万円(複数案件の場合)
≪案件ごとの上限額≫
特許 150万円
実用新案・意匠・商標 60万円
冒認対策商標 30万円
≪応募期間≫
応募の受付期間は、実施機関(地域)ごとに異なります。
九州と全国実施機関であるジェトロ(日本貿易振興機構)の応募受付期間は以下のとおりです。
・長崎県
5月16日(月)~6月17日(金)
・その他の九州各県
未定
・ジェトロ(日本貿易振興機構)
第1回 5月9日(月)~5月31日(火)
第2回 7月1日(金)~7月29日(金)
※予算残が生じた場合は、第二次募集がされることもあります。また、応募期間が短いためご注意ください。
実施機関ごとの募集状況や応募資格につきましては、下記のURLをご覧下さい。
https://www.jpo.go.jp/support/chusho/shien_gaikokusyutugan.html
本事業についてご不明な点がござましたら、どうぞ気軽に弊所までお問い合わせください。
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5.所員ほのぼの日記
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◆桜餅
桜が咲いたと思ったら、あっという間に5月です。
今年は桜餅を食べないまま4月が終わってしまいました。
桜餅と言えば、10年以上前のことですが、恥ずかしながら、世の中の桜餅は二種類あると初めて知り、ちょっとした衝撃を受けました。
つぶつぶのピンク色のもち米であんこが包まれているものと思い込んでいましたが、その時たまたま立ち寄ったお店の桜餅は、薄いスポンジ生地のもので丸いあんこをくるりと巻いていて、横からあんこが見えています。
塩漬けの桜の葉で外側が巻かれているのはいつもと同じで、甘さとほんのり塩味との組み合わせは確かにおいしかったです。
しかし、これは「もち」なのか?お店のオリジナルか?と気になり調べたところ、どうやらそれは関東風のもので、いつものは関西風だったと分かりました。
桜餅、と聞いて、どちらを思い浮かべるかは、地方によって違うのですね。
ここ福岡を含め、九州では関東風は珍しいようですが、私が偶然立ち寄った大分市のお店のように、売っているところもあるようです。
5月は、柏餅、ちまきを連休に食べたいな、と考えています。
世界の各地で、季節や日常を平穏に過ごせるようになりますようにと願いつつ。。
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★ 編集・発行:加藤合同国際特許事務所 -メルマガ事務局-
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