◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆             「加藤特許事務所 ~知財 とびうめ便り~」 Vol.36
                        発信日:2014年 5月 1日
                        発信者:加藤特許事務所
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★ 目 次 ★
 1.所長コラム
  ●平成26年度知財功労賞受賞のご報告と新弁理士のご紹介

 2.知財ニュース
  ●特許庁、一次審査通知期間(FA)11ヶ月以内を達成と発表
  ●許せない、宇治茶老舗など3社のロゴマークが台湾で無断商標登録申請

 3.連載 知財講座
  ●第36回:海外意匠出願(ハーグ協定のジュネーブ改正協定について)

 4.事務所からのお知らせ
  ●本年も始まる外国出願にかかる費用の半額補助

――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1.所長コラム ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●平成26年度知財功労賞受賞のご報告と新弁理士のご紹介

平素より加藤特許事務所をご愛顧いただき心より感謝申し上げます。

 この度、私、加藤久が、平成26年度の知財功労賞を受賞し、発明の日である4月18日に東京での表彰式に出席いたしました。
 ここに、謹んでご報告申し上げます。

 この賞は、産業財産権制度の普及促進及び発展に貢献のあった個人に対して与えられるもので、対象となりました特許庁長官表彰は4名が受賞いたしました。
 特段功績も無い私が、このような栄誉ある賞を受賞いたしましたことは、とりも直さす、今まで私と事務所を支えて戴きました多くのお客様と所員のおかげであると、改めて感謝いたします。

 本年は加藤特許事務所創立20周年の記念すべき年であり、この節目の年に栄誉ある賞をいただきましたことも、何か意味あることのように思っております。
 最初一人で始めた事務所も今は多くの仲間ができました。もちろん毎日大変なことの連続でありますが、その困難の克服は私に課せられた使命だと思い、前向きに取り組んでいこうと思っております。
 浅学非才の身ではございますが、これを期に、私自身はもちろんのこと、所員一丸となり、今後さらにお客様に喜ばれるサービスを提供して参る所存でございますので、なお一層のご支援、ご鞭撻を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

 またこの4月より、これからの加藤特許事務所の主軸となる2名の新しい弁理士が誕生いたしました。
 一人は、以前より実務を担当しておりました森博(もりひろし)弁理士で、もう一人は新たに加わりました南瀬透(みなせとおる)弁理士です。年頭にお約束いたしました、「事務所の永続性を維持するための若い世代への主軸の交代」を、粛々と実行してまいります。
 森弁理士は、東京大学大学院博士課程修了後、企業をへて、2007年より主として化学関係の特許出願を担当しておりましたが、弁理士資格取得により、これまでの経験に加え、さらに幅広いサービスの提供をしてまいります。
 南瀬弁理士は、慶応大学卒業後、特許事務所等の経験を経て4月に入所致しました。留学や前職での経験を活かし、海外出願と商標を担当いたします。

 21世紀は知的財産の時代と言われておりますが、一部の大企業を除き、知的財産制度を経営に上手く活かしている企業は多くはありません。逆に言えば、知財の有効活用を通して、成長する企業も多く出てくる可能性があると思っています。
 そのためには、特許事務所という狭い枠にとらわれない、若い人たちによる、新しいサービスの発想とその実行が不可欠であります。

 両弁理士は、若さゆえの未熟さも無論あるとは思いますが、希望と使命感に燃えておりますので、両弁理士に対しましても、変わらぬ厚情を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

                          代表 弁理士 加藤 久


――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2.知財ニュース ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●特許庁、一次審査通知期間(FA)11ヶ月以内を達成と発表

 特許庁は4月1日、特許審査に関するこの10年間の長期目標であったFA11(2013年度末までに一次審査通知期間(FA)を11ヶ月以内とする)を達成したと発表しました。

 この目標達成のため、特許庁は2008年以来、任期付審査官の増員(毎年度98名×5年度)や登録調査機関による先行技術調査の拡充といった取り組みを行った結果、今年3月末にFA11目標を無事達成することができたとしています。

 今後の目標については、既に3月11日に発表した、「今後10年以内(2023年度)までに特許の「権利化までの期間」と「一次審査通知までの期間」をそれぞれ、14月以内、10月以内とする」としており、特許庁は審査の迅速化と質の一層の向上を図り、「世界最速・最高品質の特許審査」の実現を目指していくとしています。

 詳細は、下記のURLよりご覧ください。
[URL] http://www.meti.go.jp/press/2014/04/20140401008/20140401008.html

●許せない、宇治茶老舗など3社のロゴマークが台湾で無断商標登録申請

 抹茶スイーツで知られる「茶寮都路里(さりょうつじり)」、宇治茶製造販売の老舗として知られる「丸久小山園」、「中村藤吉本店」のロゴマ―クが、台湾において3社に無断で商標登録申請されていることが明らかになりました。

 丸久小山園の関係者が今年2月、台湾の顧客から知らされ、発覚したとのことです。3社は3月に台湾の知的財産局に対して、登録を認めないよう求める上申書を提出しているとのことです。

 「中村藤吉本店」の中村藤吉社長は「弊店はガイドブックなどでも紹介され、台湾の観光客も多い。登録されれば誤解を生みかねず、許せない行為だ」と話しています。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3.連載 知財講座 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 第36回:意匠「海外意匠出願(ハーグ協定のジュネーブ改正協定について)」

 ハーグ協定のジュネーブ改正協定とは、意匠の国際出願・国際登録に関する条約で、国ごとの出願手続を一本化し、一つの出願手続によって、複数の締約国での意匠登録を可能にする制度です。すなわち、この条約によると出願手続が簡易になり、より安価に国際的な意匠権の取得が可能となります。
 日本は現時点ではこのハーグ協定ジュネーブ改正協定(以下、ハーグ協定)には加盟しておりませんが、日本の加盟を前提とした意匠法改正案が国会で審議されています。

 手続の流れとしては、日本国特許庁または国際事務局に一つの願書を提出すれば、国際事務局において国際登録・国際公表がされます。その後、指定国が無審査国の場合は、そのまま当該国で権利が発生します。これに対し指定国が実体審査国の場合は、国際公表後遅くとも12ヶ月以内に審査結果が通知されます。その結果が登録査定であれば当該国で権利が発生します。

 この制度下では、同一の国際意匠分類(ロカルノ分類)に属する意匠であれば、一つの出願に100の意匠まで含ませることが可能です。登録したい意匠が多数ある場合は、かなりのコスト削減が期待できます。
 また、国際登録の更新や権利移転等の手続は、国際事務局に対して行えばよく、国ごとの手続は不要となりますので、一元管理ができ手続が簡素化されます。

 しかしながら、ハーグ協定によると、各国での権利発生前に国際公表により意匠が公開されてしまうという危険があります。公開繰延の制度を利用することで意匠公開を回避できますが、指定国によっては繰延制度を利用できない場合があります。このため、公開による模倣の危険が大きい意匠については、国際出願は躊躇するという事態も生じえます。

 なお、ハーグ協定に加盟しても、従来の国ごとの出願は可能です。このため、ハーグ協定の国際出願のメリット・デメリットを考慮した上で、ハーグ協定の国際出願によるか又は各国の直接の出願手続によるかの選択が可能となり、柔軟な出願手続の選択肢が増えることになりますので、日本のハーグ協定の加盟はユーザーとしては非常にメリットがあるものといえます。
 国会での審議の結果につきましては、引き続きメルマガにてお知らせします。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4.事務所からのお知らせ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●本年も始まる外国出願にかかる費用の半額補助

 特許庁は、中小企業の戦略的な外国出願を促進するため、外国への事業展開等を計画している中小企業に対して外国出願にかかる費用の半額を昨年に続き助成します。

 本年度からは、従来の地域実施機関としての都道府県等中小企業支援センターの他、新たに全国実施機関として独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)を補助事業者に加え、全ての都道府県で支援が受けられるようになっています。九州各県の補助事業者よりの具体的な申請方法等については、まだ発表されていませんが、発表されましたら、またメールマガジン等でご連絡します。
 なお、既に本年外国出願を計画されているお客様は、事前に弊所にご連絡ください。

 詳細は、下記のURLよりご覧ください。

[URL] http://www.jpo.go.jp/sesaku/shien_gaikokusyutugan.htm


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