◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆             「加藤特許事務所 ~知財 とびうめ便り~」 Vol.28
                        発信日:2013年 1月 7日
                        発信者:加藤特許事務所 ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

★ 目 次 ★
 1.所長コラム
  ●新年を迎えて

 2.知財ニュース
  ●2011年全世界の特許出願、中国が52万件超で米国抜き初の世界一に
  ●「がんばろう日本!知的財産権活用企業事例集2012」発刊

 3.連載 知財講座
  ●第28回:特許『間接侵害』

 4.事務所からのお知らせ
  ●中国商標の小売及び卸売役務の新設について


――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1.所長コラム ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●新年を迎えて

 新年あけましておめでとうございます。
 本年が皆様にとって良い年になりますようお祈り申し上げます。

 昨年は政治も経済も混迷の極みで、景気の良い話が少なかった一年でした。「ものづくり日本」ともてはやされたのは、もはや過去のこととなり、数年前まで超優良企業といわれた幾つかの企業が、大きくその評価を下げています。

 一方政治の世界においても、期待感ばかりが先行した民主党政権に対する失望感から政治不信にまで進展し、年末に誕生した自民党政権も、内外で難題が山積みの状態で、どこまで頑張ってくれるか不透明感は否めないところです。

 日本はこのままダメになってしまうのでしょうか。昔のように、若者が活き活きと希望をもって生きていける日本にすることはできないのでしょうか。権利主張ばかりが強い、中国やアメリカ、韓国の餌食にされてしまうのでしょうか。

 私は決してそのようには思いません。  日本は外交ベタで一見損をしているように見えるのも「人のことを思いやる」という日本人の優れた特性のなせる技であると私は思います。自国の利権のみを主張するどこかの国とは異なり、日本民族の高い精神性の現れであり、時が立てば日本の正しさが再認識され、いずれ世界から尊敬される国になることは間違いありません。

 また、今、低迷している多くの製造業も必ずや復活し、世界に冠たる「ものづくり日本」が復活するものと確信しております。

 実は、その兆しは、まさに地方から芽生えております。
 私が関与させていただいている、幾つかの例を申し上げますと、

 1.A社は熱処理に関する特異な技術を持ち、これが大手自動車メーカのエンジン心臓部のデバイスに採用決定。
 2.B社はわずか数名の企業でありながら、特に農業や漁業、また食品関係に革命を起こす程の技術を有し、それが国の機関から評価をされた。
 3.C社も同じく社員数名の企業でありながら、21世紀に残された最後の革新的技術に関し、世界最先端を走っており、今年は大きな飛躍が期待される。

 などなどです。これ以上、具体的にお話できないのが誠に残念です。

 このような素晴らしいお客様に恵まれ、私ども加藤特許事務所は最善を尽くしお客様のお役に立つことを実行して参るのみです。本年は、創業の原点に立ち返り、毎日の朝礼で唱和しております以下の「私たちの志」をひとつずつ丁寧に実践して参る所存です。


    私たちの志
   1.お客様の期待以上のサービスを提供します
   1.お客様の心を動かすサービスを提供します
   1.お客様と共に伸びていきます
   1.お客様に安心を与えます

 繰り返しになりますが、本年が皆様にとって、穏やかで良き年となりますよう祈念申し上げます。

                          代表 弁理士 加藤 久


――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2.知財ニュース ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●2011年全世界の特許出願、中国が52万件超で米国抜き初の世界一に

 世界知的所有権機関(WIPO)は、12月11日、世界の特許、意匠、商標の出願件数などをまとめた「世界知的所有権統計」(World Intellectual Property Indicators2012)を発表しました。

 これによると、世界全体の特許出願受付件数は、前年比7.8%増で初めて200万件を超えて214万件。国別では、中国が52万6412件(前年比34.6%増)で、昨年まで1位だったアメリカの50万3582件(同2.7%増)を抜いて初めて1位となった。  3位は日本で34万2610件(同0.6%減)、4位は韓国で17万8924件(同5.2%増)、5位は欧州連合(EU)で14万2793件(5.4%減)、以下6位ドイツ5万9444件、7位インド4万2291件、8位ロシア4万1414件、9位カナダ3万5111件、10位オーストラリア2万5526件となっている。

 詳細は、下記のURLよりご参照ください。 http://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2012/article_0025.html


●「がんばろう日本!知的財産権活用企業事例集2012」発刊

 特許庁は11月22日、昨年の第1弾に続き、知恵と知財を武器に活躍している中小企業等の取組事例を紹介した「がんばろう日本!知的財産権活用企業事例集2012」を刊行したと発表しました。

 この第2弾には、知的財産権の戦略的な活用により、業界ナンバーワンシェアの獲得や海外展開で新たな需要につなげた中小企業等の事例が紹介されており、多くの中小企業がこうした先例を参考にして、保有する技術力と潜在力を開花させるきっかけとなることが期待されている。

 詳細は、下記のURLよりご参照ください。 http://www.meti.go.jp/press/2012/11/20121122003/20121122003.html


――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3.連載 知財講座 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 第28回:特許『間接侵害』

 本来、特許権の侵害は、請求項に記載された発明特定事項の全部を業として実施した場合(いわゆる直接侵害)となりますが、この直接侵害に当たらない場合でも、例えば特許権の侵害に用いられる専用部品の供給などの行為は直接侵害を誘発する可能性が極めて高いため、そのような行為を放置することは特許権の実効性を失わせることになります。

 そこで、このような問題に対処するために設けられた規定がいわゆる間接侵害の規定です。間接侵害は、直接侵害ではないが、侵害を誘発する可能性が極めて高い一定の行為を特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権の侵害とみなすものです。

 この間接侵害が成立する為の要件は、特許法第101条、実用新案法第28条、意匠法第38条、商標法第37条、著作権法第113条に限定列挙されております。

 例えば、特許法では、他人が特許製品の生産にのみ用いる物(専用部品)または特許方法の使用にのみ用いる物を生産、販売等することは、直接侵害には該当しませんが、これらの行為は直接侵害を誘発する可能性が極めて高いため、侵害行為とみなして禁止しております(特許法第101条第1号、第4号)。

 また、専用品に限らず、その発明による課題の解決に不可欠なものを、特許権の存在および特許発明の実施に用いられることを知りながら、生産、販売等することも侵害行為とみなされます(特許法第101条第2号、第5号)。

 また、平成18年の一部改正において、侵害物品を販売等または輸出のために所持する行為についても侵害とみなされるようになりました(特許法第101条第3号、第6号)。

 このように間接侵害の規定によって、特許権者等の権利は一定の要件の下で広く保護されますが、間接侵害の立証責任は権利者側にあり、直接侵害よりも難しくなることから、特許出願時にできるだけ多面的な請求項(クレーム)を作成しておくことが重要となります。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4.事務所からのお知らせ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●中国商標の小売及び卸売役務の新設について

 2013年1月1日より、中国において新たに「薬品・薬用製剤・衛生製剤・医療用品・動物用薬剤・獣医用製剤」の小売又は卸売の役務が新設されました。

 ※今回は上記商品の小売又は卸売の役務についてのみが対象です。

 また、日本では小売等役務商標と、商品商標とは類似関係とみなされていますが、中国においては原則非類似の商標として審査されます。

 なお、新設役務の出願については、2013年1月31日まで特例期間となりこの期間内の出願は同日出願として取り扱われます。

 該当役務について中国での権利化をご検討の場合は、お早めにご相談ください。  また、ご不明な点がございましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。


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