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      「加藤特許事務所 ~知財 とびうめ便り~」 Vol.20
                        発信日:2011年9月1日
                        発信者:加藤特許事務所
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★ 目 次 ★
  1.所長コラム
   ●その商標は、大丈夫ですか?

 2.知財ニュース
   ●出願審査請求料、8月1日より平均約20万円から約15万円に引下げ

 3.連載 知財講座
   ●第20回:特許 パラメータ特許

 4.イベント案内
   ●平成23年度知的財産権制度説明会(実務者向け)開催について

 5.事務所からのお知らせ
   ●ママチャリ耐久レースに、所員でチームを編成し参加 大健闘!

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1.所長コラム
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●その商標は、大丈夫ですか?

 この度、入所いたしました田代です。よろしくお願いいたします。

 さて、最近、商標権侵害に関する相談を、よく受けます。
  これまで、何の問題もなく使用してきた商標について、ある日突然、“商標権を
侵害している”との文書が届いたが、どうしたらよいかというような相談です。

 訴えられた側は、特長のある良い商品を開発して、良い材料を使用し、それにふ
さわしいと考える商標を付けて販売し、順調に売り上げを伸ばしたかなというタイ
ミングに、得てしてこんな状況に陥ることがあるようです。

 商標法は、その目的にあるように、「商標を使用するものの業務上の信用を保護
し」と規定しています。
  そして、先に出願した人が商標登録を受ける権利を有するとする主義をとってい
ますから、商標を使用する場合には、まず出願し、登録を受けてから使用すること
が望まれます。
  そうすれば、使用しようとする商標について、他人の商標権との抵触関係を事前
に知ることができますし、他人の商標権と抵触しない商標を採用し、使用すること
ができます。

 商標権侵害の、最近のトピックスとしては、“堂島ロール”で知られている“モ
ンシュシュ”が注目を浴びました。あれほど有名な会社ですが、商標について軽ん
じていたのでしょうか。

 商標権のトラブルに巻き込まれてしまいますと、それまで蓄積されてきた信用を
失ってしまうおそれがあります。
  是非、商標は財産権であるということを認識していただき、商標を使用する場合
には、ご注意いただきたいと思います。

 これから、事務所の一員として、特に商標の分野で皆様のために尽力したいと思
っています。よろしくお願いいたします。

                           弁理士 田代 茂夫

--- 参考記事 -------------------------------------------------------------
『"堂島ロール"モンシュシュ社に約3,500万円の賠償命令 H23.6.30大阪地裁判決』

「堂島ロール」で知られる大阪市の洋菓子会社「モンシュシュ」の標章
「Mon chouchou」が、ゴンチャロフ製菓(神戸市)の商標権を侵害しているかが争
われ訴訟の判決が30日、大阪地裁であった。山田洋三裁判長は侵害を認め、モ社に
標章の使用禁止や約3,500万円の賠償を命じた。

                 (2011/7/1朝日新聞社asahi.comより抜粋)
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2.知財ニュース
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●出願審査請求料、8月1日より平均約20万円から約15万円に引下げ

 「特許法等関係手数料令の一部を改正する政令」が、7月8日に閣議決定され、こ
れにより審査請求料が、8月1日から平均約20万円から約15万円に引き下げら
れました。

 今回の改正により、通常の特許出願の審査請求新料金は、下記のようになってお
り、旧料金より50,600円減額になっています。

・新料金:118,000円+請求項数×4,000円
   (旧料金:168,600円+請求項数×4,000円)

 なお、国際特許出願した場合の審査請求新料金等については、下記のURLをご
覧下さい。
URL: http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/tetuzuki/ryoukin/shinsaseikyu_kaisei.htm

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3.連載 知財講座
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第20回:特許 パラメータ特許

 「パラメータ特許」は、実務上便宜的に用いられている表現であり、発明を構成
するための事項を数値範囲により数量的に表現した発明(数値限定発明)を含む特
許全般を意味する場合もありますが、ここでは、「数値限定発明のうち、臨界的数
値限定を含む発明を含む特許」と定義して説明します。

 ここで、「臨界的数値限定」とは、公知技術に比して特許を受けるために必要不
可欠な数値限定、あるいは発明の課題を解決するために不可欠な数値限定を意味し
ます。

 例えば、「Aに対し、Bを30重量%以上含む組成物」という数値限定を有する
発明があるとき、Aに対し、Bを20重量%含む組成物が公知であったとしても、
Bを30重量%以上含ませることによって、(従来技術から予測することが困難な)
特別な効果や顕著な効果が得られる場合には、数値の臨界的意義が認められて進歩
性ありとして特許される可能性があります。

 「パラメータ特許」では、他の方法では特定の難しい技術内容を、物理的、化学
的な特性値によって表現できるという利点がある一方で、第三者の実施内容が、パ
ラメータ特許の技術的範囲に属するか否かを、明細書の記載から直ちに判断するこ
とが困難な場合も多く、従来から実施していた具体的事物や公知技術が、その技術
的範囲に含まれて特許される場合がある等の問題点が指摘されています。

 最近の特許庁でのパラメータ特許に係る審査では、特に記載要件について厳しい
傾向にあり、また、特許が成立した後においても、パラメータ特許における技術的
範囲の解釈がしばしば争点となります。

 そのため、当業者に慣用されていない特殊なパラメータの場合はもちろんですが、
当業者に慣用されているパラメータの場合においても、明細書内の定義付けを行い、
数値限定の根拠を、理論、実施例などにより十分にサポートする必要があります。

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4.イベント案内
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●平成23年度 知的財産権制度説明会(実務者向け)開催について

 特許庁は、日頃から知的財産権の業務に携わっている実務者の方を対象に、知的
財産権制度の円滑な運営を図るため、実務上必要な知識の習得を目的とした実務者
向け説明会を全国の主要都市20箇所で、10月~12月末に開催します。

 本説明会では、特許・意匠・商標の審査基準及び運用、審判制度の運用、国際出
願の手続等について、特許庁職員が説明します。
  参加の場合は、事前時申込みが必要です。参加は無料です。九州での開催都市は
福岡市、北九州市、那覇市です。開催日・申込先等の詳細は、近々特許庁のホーム
ページに掲載予定です。

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5.事務所からのお知らせ
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●ママチャリ耐久レースに、所員でチームを編成し参加 大健闘!

 8月20日、毎年恒例のママチャリ耐久レースが、日田市から阿蘇方向に車で約
1時間のところにある「オートポリス・サーキットレース場」で開催されました。
  所員もこのレースにチームを編成し参加しました。参加チーム179中、19位と上位
に食い込み大健闘しました。

 来年も開催されます。お客様の中で一緒に参加したいと希望される方は、ぜひご
連絡下さい。お待ちしております。

 ママチャリ耐久レースの詳細は、オートポリスの公式WEBサイト(下記URL)にて
ご確認いただけます。
URL: http://www.autopolis.jp/circuit/bicycle.html

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