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      「加藤特許事務所 ~知財 とびうめ便り~」 Vol.10
                        発信日:2010年1月4日
                        発信者:加藤特許事務所
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★ 目 次 ★
  1.所長コラム
   ● 新年にあたり

 2.知財ニュース
   ●日米欧三極間で特許審査ハイウェイ試行 
   ●平成21年度 模倣品・海賊版撲滅キャンペーン

 3.連載 知財講座
   ●第10回:商標 -歴史上の人物名に関する商標審査について-

 4.イベント案内
   ●平成21年度 知財先進都市支援事業 中小企業のための知財セミナー

 5.事務所からのお知らせ
   ●商標専用ポータルサイトの開設について
   ●欧米の最新の特許情報の提供

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1.所長コラム
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●新年にあたり

 新年明けましておめでとうございます。

 皆様にとって本年が良い年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。
  昨年は多くの企業がそうであったように、特許の世界でも激震が走った一年でし
た。依然として景気の先行きが見えない状況が続いておりますが、歴史が証明して
いるように、いずれ景気は必ず回復します。
  我々は、その時に他に遅れることなくスタートダッシュができるよう、知恵と勇
気を振り絞って今備えなければならないのです。 

 では、我々特許事務所はお客様のために何をしなければならないのか。
  当たり前のことではありますが、それは「お客様の役に立つこと」、「お客様の
困りごとを解決すること」、これに尽きます。

 そこで、本年、加藤特許事務所は旧来の特許明細書作成を中心としたサービスの
質をさらに高めるとともに、知的財産権の活用全般に思いを馳せ、加えて以下の新
しいサービスを提供させて頂くことと致します。

1 事業に寄与する知的財産の掘り起こしとその財産化
2 特許に裏打ちされた技術、製品の事業化支援
3 ポータルサイト開設による商標の有効活用

 1は、冒頭述べました将来のスタートダッシュに必須不可欠であります。そのた
めに、今までとは少し異なった視点に立つことが必要だと思います。当所は、単に
依頼された仕事をこなすだけではなく、お客様の発展を我がこととして考え、事業
に寄与する知的財産の掘り起こしとその財産化について助言し、行動し、真にお客
様の知的財産部としての役目を果たします。

 2は、私が16年前の創業時から考えていたことで、ようやく特許をベースとした
事業化支援のための内外ネットワークの構築ができ、具体的にスタートすることに
なりました。日本国内、海外問いませんが、特に、発展目覚ましい中国でのビジネ
ス化の支援が可能です。
  このことにより、今までのように特許出願等にかかる経費を、コストから投資に
換えることができるようになり、何よりも、知的財産を収益の一つの柱にすること
が可能となります。

 3については、商標専用ポータルサイトを運営し、様々な情報の提供とともに、
不要となった商標の売買の取り次ぎを開始いたします。

 本年、当所はさらに一層の精進を重ね、この新たなサービスを通して、皆様にとっ
てかけがえのない存在になることをお約束いたします。

 所長 弁理士 加藤 久

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2.知財ニュース
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●日米欧三極間で特許審査ハイウェイ試行
  特許庁は昨年11月13日、一方の国で特許となった出願を、他方の国でその審査結
果を参照して早期審査を行う枠組みである「特許審査ハイウエイ(PPH)」につ
いて、日米欧三極間での試行を1月29日から開始することで合意したと発表しました。
  PCT国際出願について、日米欧いずれかの国際調査機関又は国際予備審査機関
により特許性を有するとされた場合にも、日米欧の各国で早期審査を受けることを
可能とすることの試行も、同時に開始する予定です。

 なお、PPHはすでに日米特許庁間では行われていており、今回の日欧特許庁間
のPPH開始の合意により、日本とのPPH締結国・機関は12カ国・機関となり
ました。

詳細は、下記のWEBをご覧ください。
URL: http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/patent_highway.htm

●平成21年度模倣品・海賊版撲滅キャンペーン
  特許庁は、「模倣品・海賊版を購入しない、容認しない」消費者意識を醸成する
ために、昨年の12月11日から、知的財産戦略本部をはじめ関係省庁の協力のもと、
テレビCM(昨年末で終了)、ポスター、キャンペーン特設WEBサイト開設等様
々な広報媒体を用いた啓発活動「模倣品・海賊版撲滅キャンペーン」を実施してい
ます。

 今年のポスターのキャッチコピーは、「安い、面白いというニセモノの誘惑に負
けないでください」となっています。

キャンペーン特設WEBサイトは、下記をご覧ください。
URL: http://www.kawanai.go.jp/

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3.連載 知財講座
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第10回:商標 -歴史上の人物名に関する商標審査について-

 第4、6回と商標の不登録事由(類似商標、品質誤認など)についてご説明いた
しましたが、今回はこの不登録事由の中から「歴史上の人物名等」についての商標
審査の方向性についてご説明いたします。

 現行の商標法では、「現存する」人物名については、人格権保護の観点から、こ
れを承諾なしに登録することを禁止する旨の規定が明文化されています(商標法第
4条第1項第8号)。
  しかし、これはあくまでも「現存する者」についての規定であるため、歴史上の
人物名までを規制するものではありません。
  それでは、歴史上の人物名については、自由に商標登録することができるのでしょ
うか?
  有名な歴史上の人物名は、その人物の名声により強い顧客吸引力をもつ大変魅力
的なものですので、これを商標として使用したいと思うのも当然です。実際に、歴
史上の著名人物名での商標登録は少なくありません。しかし、これらの人物と関係
のない第三者が商標登録をすることについては、故人の名声や名誉の毀損、郷土や
ゆかりの地における地域振興の妨げになる、などの問題が生じることがあります。

 最近では、「吉田松陰」、「高杉晋作」等の名前が関係のない第三者により商標
登録されていたことが判明し、これに対し、郷土である山口県の萩市が登録異議を
申し立てています(審理継続中)。

※「吉田松陰」の商標については、審査段階で「公序良俗違反」との判断から一度
登録を拒絶されたのですが、その後の出願人の反論が認められ、登録に至ったとい
う経緯があります。
  つまり、萩市が異議申し立てしなければ、「吉田松陰」の商標は関係のない第三
者により、独占されたままなのです。
  一方、「金子みすず」や「中原中也」の商標が出願されていましたが、これにつ
いては、地元からの情報提供などもあり、登録が認められなかったという事例もあ
ります。

 このように、歴史上の人物名については、現状、審査の判断が統一されていない
という問題点があり、現在、特許庁では、公序良俗違反の規定において、歴史上の
人物名等(周知・著名な著作物の題号や祭りの名称等も対象)の商標に関する審査
基準を策定中です。

 歴史上の人物名などを商標とできれば、非常に魅力的なものですが、採択される
際は、その商標が公正な取引秩序や、遺族の心情を害するおそれはないか、などの
点も考慮の上、慎重にご選択ください。

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4.イベント案内
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●平成21年度知財先進都市支援事業 中小企業のための知財セミナー
  九州経済産業局は、中小企業の知的財産権財を支援する事業の一環として、本セ
ミナーを開催します。
  本セミナーでは、業種を問わず、中小企業・ベンチャー企業の方々が参考となる
ような事例を中心に、ビジネス成功への足がかりとなるような講演内容です。開催
日は、1月22日(場所:久留米市久留米ビジネスプラザ)のみとなっています。

申込み・詳細は、下記のWEBをご覧ください。
URL: http://www.decore-inc.com/seminar/

 
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5.事務所からのお知らせ
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●商標専用ポータルサイトを開設いたします。
  当所では、商標のサービス拡充と、使用されていない商標の掘り起こしを目的と
して、来たる1月12日に商標専用ポータルサイト(サイト名:[@商標])をオー
プンいたします。使用しなくなった登録商標の売買(譲渡)契約の取り次ぎと、出
願した商標に関する商品・サービスの販路開拓の提供を主軸として、これまで以上
のサービスを提供して参りますのでご期待下さい。

 また、使用しなくなった登録商標をお持ちの方で、その登録商標を今後ご使用さ
れる事がない場合は、是非、商標売買フォームをご活用下さい。

[@商標]へは、1月12日から下記URLよりアクセスできます。
URL: http://www.a-shohyo.com/ (製作中)

●欧米の最新の特許情報の提供いたします。
昨年秋に、欧州および米国から海外特許代理人の来訪を受け、欧米の最新のトピッ
クスにつきプレゼンを受けました。当該代理人の了解の下、受領したプレゼン資料
の皆様への提供が可能です。興味のある方はお申し出下さい。

※ 当所は、1月4日より通常通り業務を開始いたしております。
  年末年始は郵便事情等により、書類到着の遅延などが予想されます。
関係書類等の未着などお気づきの点がございましたら、お手数ですがご一報いただ
ければ幸いです。

 本年も何卒ご愛顧の程よろしくお願い申し上げます。

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